種籾の鉄コーティング作業

こんにちは。
お米 通販の新潟コシヒカリ農家「内山農産」のスタッフ、チカです。
昨日の午後、いつもお世話になっているクボタのメカニックさんに来ていただき、種籾の鉄コーティング作業を試みました。
長年米作りに携わっている内山家ですが、種籾の鉄コーティングは初めての試み。
これまで行なってきた農法に固執せず、良いものは取り入れていこうと、今年試験的に挑戦してみることにしました。
鉄コーティングした種籾は、田んぼに直接蒔く、直播(ちょくは)栽培をします。
種籾を直接田んぼに蒔き、苗を育てないので手間がかからず、労働時間の分散が出来、収穫の時期をずらすことが出来ます。
育苗用のビニールハウスや苗代田もいらない、育苗箱などもいりません。
また、鉄コーティング直播栽培は、田んぼの土の表面に播種するため、発芽・苗立ちが安定するほか、播種の状況や出芽が確認でき、鳥害(スズメなど)も防止できるそうです。
さらに、お米の品質・食味の低下の要因ともなっている、気象災害と温暖化による水稲登熟期の高温についても、田植えを遅らせたり、出穂期後の高温登熟の回避を図れるそうです。
難しい話はこれくらいにして(笑)、鉄コーティング作業について、説明していきましょう。
まずコーティングの前準備として、種籾の準備をしておきます。
種籾を13~15度の水に3、4日浸種し、積算温度で40~60度になったところで水から上げ、風通しのよいところで広げて、水分が15%くらいになるように乾燥させておきます。
※積算温度とは、毎日の平均温度を足していった値のこと。
15度の水に4日浸せば、15度×4日で、積算温度は60度になります。
いよいよ作業当日。新潟クボタ様に実演していただきました。
鉄粉をコーティングするためのコーティングマシン。コーティング専用の鉄粉を計量します。
コーティングマシン鉄粉
鉄粉のほかに、焼石膏の粉も計量して、よく混ぜ合わせておきます。
種籾の量に対して、鉄粉はその2分の1、焼石膏も2分の1です。
籾が8キロだとすると、鉄粉4キロ、焼石膏4キロという割合。
種籾をコーティングマシンに入れ、スイッチオン。噴霧器で水をかけます。
種籾噴霧器で水をかけます
鉄粉と焼石膏を混ぜ合わせたものを少し加え、スクレーパでしっかりと混ぜ合わせます。
鉄粉と焼石膏を混ぜ合わせたものスクレーパ
数回に分けて、この作業を繰り返して行ないます。すっかり黒くなりました。
黒くなりました
しっかり混ざったら、チリトリで種籾をすくい取り、育苗箱に入れて広げます。厚さ約1センチ。
育苗箱に入れて広げます
鉄コーティング後の種籾。
鉄コーティング後の種籾
これで終わりではありません。
日の当たらないところに置いて、酸化させます。
日の当たらないところ
1、2日ごとに種籾を撹拌、水を噴霧し、酸化を促進させます。
酸化の進み具合をみながら繰り返して行ない、1、2週間ほどで酸化が完了します。
目安は籾全体が茶色になり、水をかけても発熱が無く、乾燥しても色が変わらなくなったら。
コーティング後の管理に気を使いますが、育苗の手間を考えると・・・。
まずは今年田んぼ一枚分だけ、挑戦してみたいと思います!